■傘を売る人 バチカン美術館を出たら、空が曇ってきていた。歩いていると、ぽつぽつ降ってきてあれよという間にスコールになった。笑ってしまうくらい大量の雨。 そしていずこも同じく、雨が降ると傘売りが沸く。イタリアの傘売りは、みんな折り畳み傘を持っている。通行人はカフェのファサードの下とか、わずかばかりの軒の下に走り込んで張り付く。ほとんどの軒下は人で埋まっているかんじだった。私たちも軒下に走った。傘売りが大量にやってきたが、だーれも買わない。値段は1万リラなので、日本円だと650円(当時)くらいなのに、誰も買わない。意地みたいに無視している。だから私たちも見習うことにした。イタリアの人も買ってないってことは、実は1万リラでも高いか、雨がすぐやむかのどっちかだ。
でも雨は強くなる。道は排水が悪いらしくて、水たまり状態を越えて、洪水手前に見える。 街が白く見えるぞ。大丈夫かよ、まわりの人たち〜と思っていたら、ようやく小降りになってきた。
小一時間後、街をぶらついていると、小雨もやんでしまった。見ると、さっきまでいた傘売りの姿も寂しげで、そしてあの人たちは晴れているときは何をしているんだろうかと心配した。